紡ぎ
織物の原料となる木綿や絹は、素敵な織物を生み出すために糸の状態に紡がなければなりません。
現在では、東南アジアの広いエリアにおいても、あらかじめ機械によってつくられた市販の紡績糸を手に入れて織物をつくるというスタイルが大部分となりましたが、そんな中でも手紡ぎの糸をつくり、昔ながらの織物づくりを続けている地域や工房も存在します。
紡ぐための道具は
紡錘車(スピンドル/spindle)、
糸車(スピニング・ホイール/spinning wheel)
など実に様々。
中には自転車の部品を使用した手作りの糸車などを使っていることもあります。
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紡ぎ風景いろいろ
こちらはインドネシアのスンバ島での紡ぎ風景。
紡錘を使用した紡ぎ作業で、ココナッツの殻を使用した受皿法となります。
ちなみに、このスンバ島ではいにしえには村の王(ラジャ)のための絣布は、村一番の織り人が王専属の作り手となり、手紡ぎ綿と天然染料を使用してつくられるのが伝統となっておりました。
こちらはインドネシアのフローレス島シッカ村での紡ぎ風景。
かなりご高齢のお婆さんがお昼寝を中断して、村を代表する形で紡ぎの作業を見せてくれました。
長年培った技といった貫禄が漂っております。
こちらはラオスのタイ・ルー族の村での風景。
こちらも糸車を使用しての紡績ですが、手作りの糸車を使用して紡ぎ作業が行われておりました。
因みに、この手作り糸車は、この女性の旦那様のお手製だそう。
東南アジアでは機織り自体は女性の仕事として受け継がれるのが伝統ですが、こうしたシンプルな糸車や織り機を使用している地域では、縁の下の力持ちといった感じで旦那様などが織りにまつわる道具を手作りしてくれているというお話しを聞きました。
何となく微笑ましい気持ちになる織り風景です。
因みに、こちらは糸を紡ぎやすくするための下準備で“じんき”を作る様子。
作業を始めてから効率良く動けるように、綿を棒状に纏めておきます。
こちらもラオスのタイ族の方のお宅にあった糸車。
のどかな地域では、こうした自転車のホイールを再利用した糸車が多く見受けられました。
こちらはタイ・チェンマイの大手シルク工房での風景。
立派な大型の糸車で糸繰りをしています。
こうした大手の工房では、糸車を何台も連ねて染織の各工程ごとに分かれて作業が行われます。
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